エビングハウスの忘却曲線の誤解とは?一般的な理解は間違っていた!
「エビングハウスの忘却曲線」という言葉を一度は聞いたことがあるのではないでしょうか?
今回はエビングハウスの忘却曲線の一般的な誤解と、本当の実験結果について説明したいと思います。
1.一般的なエビングハウスの忘却曲線の理解とは?
ドイツの心理学者、ヘルマン・エビングハウスはある実験をしました。
意味のない3つのアルファベットの羅列を、被験者にたくさん覚えさせて、その記憶がどれくらいの早さで忘れられていくかを調べました。
その結果が次のグラフになります。
出典:https://goo.gl/LdpjEC
20分後には42%忘却し、1日後には74%も忘却しています。
せっかく苦労して覚えても、1日後にはほとんど忘れてしまっていることが分かります。
ここで、一回で覚えるだけでなく、定期的な復習をした場合、次のような曲線を描きます。
出典:https://goo.gl/LdpjEC
復習を重ねるごとに、曲線が緩やかになっているのが読み取れますね。
つまり、復習すればするほどだんだん記憶が定着し、だんだん忘れにくくなります。
2.エビングハウスの忘却曲線の誤解とは?
先ほど提示したグラフの縦軸は"覚えている%"としており、忘却率を示しました。
しかし、これはよくある誤解です。
正確には、忘却率ではなく、節約率を表しています。
節約率とは、一度記憶した内容を再び完全に記憶し直すまでに必要な時間または回数をどれくらい節約できたかを表す割合を示しています。
先ほどの一つ目のグラフの例だと、1日に74%と記載されていますが、これは覚えたことの74%を忘れたという意味ではありません。
最初に覚えるのに60分かかったとしたら、1日後に同じ内容を覚えるために約45分かかったという意味です。(60分×0.74≒45分)
忘却率として説明した方が分かりやすいため、誤解のままエビングハウスの忘却曲線の理解が世の中に浸透してしまったと考えられます。
よく考えると1日後に意味のない文字列を26%も覚えているわけないですね。
3.結論
今回はエビングハウスの忘却曲線の理解について是正させていただきました。
ちなみにエビングハウスの忘却曲線から復習に効果的なタイミングについて情報を集めてみましたが、結構意見がバラバラでした。
というより、エビングハウスの忘却曲線から復習に効果的なタイミングを推測することは間違っていると思います。
このグラフから分かるのは、一回覚えたことをもう一度復習したら最初よりも覚える時間が減るというだけで、効果的な復習のタイミングまでは分からないと思います。
一度覚えちゃえば忘れたとしても比較的すぐに思い出せるというのは救いですね。
忘れることを恐れずにどんどん記憶しましょう。
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