SES事業の会社の正社員が定着しない理由
IT業界は人材の入れ替わりが激しいです。
特にSES事業を展開している会社にとっては人材の流出に頭を悩ませている企業が多く見られます。
かくいう私も新卒でSES事業を行なっている会社に入り、一年も経たずに辞めて独立してしまいました。
今回はSES事業を行なっている会社の正社員がなぜすぐ辞めてしまうのかについてお話しいたします。
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帰属意識が気薄
SES事業に従事している社員は帰属意識が低いです。
会社に正社員として所属しているのにも関わらず他の会社に常駐して働くのですから、なんで正社員として会社にいるんだろうという気持ちになりがちですね。
月1回帰社日を設けるなどして自分の会社の方と会う機会はありますが、逆に言うと自分の会社の人間と月1回しか会いません。
同じ会社の人間が同じ常駐先に数人いるかもしれませんが、やはり自社サービスを展開している会社と比べると同じ会社の方と会う頻度は圧倒的に少ないと言えます。
あまり自分の会社の人間と会わないのに会社に忠誠を誓えというのも無理な話ですね。
なんのために自分の会社の一員として働いているんだろうという気持ちになってしまうのが自然です。
裁量権がない
PMやコンサルなどは別ですが、他の会社に客先常駐として働くと基本的には裁量権がありません。
当たり前ですが、他の会社では自分の会社の人間を大切にし、自分の会社の人間を重要なポストに就かせることが多いです。
ある程度年齢が上だったり実績のある方はサブリーダーくらいにはなれるかもしれませんが、若い方にとってはほとんど重要なポストに就けるチャンスがないのです。
ですので重要なポストにつきたい若い人材ほど簡単にSES事業を行なっている会社からは離れていきます。
つまらない仕事が多い
裁量権がないということに通じることはありますが、基本的に客先常駐として参画した場合はつまらない仕事が多いです。
単純作業だったりExcelをカチカチするだけで一日を終えるというのがめずらしくありません。
「贅沢言うな」だったり「若い時は我慢すべき」という意見があるかもしれませんが、技術者にとっては若いときほどプログラミングなど開発の業務に積極的に関わるべきだと思います。
事実、自社サービスを行なっている会社は若い方にガンガン開発させることも多いです。
その上、客先常駐としての仕事は未来がありません。
自社サービスを大きくしようという思いもなく、淡々と常駐先で与えられた仕事をこなすよう命じるわけですから、そりゃあもうやる気が削られるのも当たり前ですね。
結果、若ければ若いほどSES事業を行なっている会社には定着しません。
若いと辞めたとしても転職しやすいので、ある程度会社が見限られると簡単に辞めてしまう方が多いと思います。
引き止めようとしても魅力的な仕事を用意できないので、結果として人材をみすみす逃すこととなります。
終わりに
今回はSES事業を行なっている会社の正社員がなぜすぐに辞めてしまうのかについてお伝えいたしました。
現在は独立した場合に簡単に仕事ができる土壌も整っています。
フリーランスエージェントも乱立し、エンジニアにとっては非常に独立しやすい時代です。
独立すると自分の会社にお金をピンハネされることもないため、かなり給料が良くなります。
SES事業を行なっている会社に所属するのとエージェントから依頼される仕事は変わらないです。
業務内容が変わらないのに独立すれば普通だったらピンハネされる分お金が稼げるわけですから、そりゃあ独立した方が得だと考えるのが自然ですね。
逆にSES事業を行なっている会社からすると、社員を引き込むのがかなり難しいのではないかと思います。
結局仕事を振りまったり恩を着せるなどしてブラック的な手段で社員を定着させることしかできないのではないかとも思います。
私はまだ経験が浅く、SES事業について深いところまでは考察できませんが、ひとまず上記のような理由からSES事業を行なっている会社が社員を定着させることは難しいです。
最近ではSESを撲滅する団体も増えてきているようですね。
これからSES事業がどうなっていくのかフリーランスエンジニアの一人として見守っていきたいです。
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