三秋縋著「僕が電話をかけていた場所」読んだ感想★★★★☆

2024年1月10日

今回は三秋縋著の「僕が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)」を読んだ感想についてご紹介いたします。

僕が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)



1.所感

この「僕が電話をかけていた場所」は「君が電話をかけていた場所」の後編となります。
三秋 縋著「君が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)」感想★★★☆☆

前編だけでなく、後編も面白いです。
個人的には前編よりも後編の方がおもしろいですね。

三秋縋さんの作品は読めば読むほど、村上春樹さんの作品に似ています。
決定的に違うところといえば、三秋縋さんの小説に出てくる女性は二次元的な意味での超絶美少女ですが村上春樹さんの小説に出てくる女性は現実に則したリアリティーのある女性だという事です。
私の稚拙な本の知識と照らし合わせると、表現方法や発想などは村上春樹さんの作品と似ていると感じました。

ストーリーや表現方法も良かったですが、いろいろな物事に関する穿った考え方にも共感を覚えました。
特に整形のくだりは読んでいて納得しました。
私は整形している方に偏見は持っていないつもりですが、確かに整形に嫌悪感を覚える方たちはそのような心理を持っているのではないかと思います。

ある程度まで読み進めると、結末が気になってページをめくる手が止まりませんでした。
今までに張られた伏線が見事に回収されています。
三秋縋さんの代表作といえば、「三日間の幸福」や「スターティング・オーヴァー」を思い浮かべる方も多いですが、完成度からするとこちらの作品の方が高いのではないでしょうか。
前編と後編に分かれるまでのページ数もあり、相当気合いを入れて執筆しているのが分かります。

三秋縋さんの作品から滲みでる世界観は独特で、「こんな発想あったのか」といつも感動させられます。
私は頭が硬いので余計羨ましいですね。

2.終わりに

今回は三秋縋著の「僕が電話をかけていた場所 (メディアワークス文庫)」についての書評を書かせていただきました。

「自分の中の世界観を鍛える」ためにはどうすればよいのでしょうか。
やっぱりいろいろな経験を積んだり、旅に出たりとかですかね。

旅するのは好きですが、ワーカホリック気味なので仕事の方をどうしてもやりたくなってしまいます。
ある段階で意図的に一人旅をするなどの期間を設けた方が良いかもしれませんね。
旅に出たとして社会復帰できるか不安ですが。
まぁまずは土日を使った弾丸旅行でも検討しておきましょう。

おすすめ度
★★★★☆

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三秋縋

Posted by ちこ