数学検定の種類や難易度は?

2024年5月6日

数学検定という資格があるのをご存知でしょうか?
数学検定は正式名称を「実用数学技能検定」と言いますが、実用数学技能検定には、1級から11級と準1級、準2級、かず・かたち検定のゴールドスター、シルバースターを合わせて全部で15の階級が存在します。

この資格に合格することで、一部の学校で入試優遇や単位認定を受けることができる他、高等学校卒業程度認定試験の「数学」科目を免除することもできます。

数学検定は1~5級は一次試験の他に二次試験がありますが、他の級では二次試験がありません。
原則として受験資格はなく、どの級からでも受験することができます。

今回は数学検定の種類についてご紹介いたします。



1.数検(数学検定)のかず・かたち検定

数検(数学検定)のかず・かたち検定

数学検定の「かず・かたち検定」は「ゴールドスター」と「シルバースター」の2種類の試験に分かれております。
「かず・かたち検定」は小学校に上がる前の幼児を対象としています。

シルバースターでは、「あめなどの個数(5まで)を数えることができる」、「ひもの長さなどを直接比べて比較できる。」、「三角形、四角形、丸の形を区別できる」能力が問われます。

それに対しゴールドスターでは、「クッキーなどの個数(10まで)を数えることができる。」、「背の高さなどを直接比べて比較できる。」「三角形、四角形、丸の形などを使って遊ぶことができる。」能力が問われます。

「かず・かたち検定」の検定問題は、以下の複数の検定回にまたがって同一の検定問題となるため、以下の問題がかぶる検定回を確認して問題が出る検定回を狙って受験するのもありだと思います。(そんな機会なかなかないかもしれませんが)
(第302~304回、第305~309回、第310~318回)

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
1500円(税込み)

試験時間
40分

出題数
15問

合格基準
10問以上正答

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

2.数学検定11級

数学検定11級

数学検定11級は小学校1年生程度を対象としています。

数学検定11級では、「画用紙などを合わせた枚数や残りの枚数を計算して求めることができる。」「鉛筆などの長さを、他の基準となるものを用いて比較できる。」「缶やボールなど身の回りにあるものの形の特徴をとらえて、分けることができる」能力が問われます。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
1500円(税込み)

試験時間
40分

出題数
20問

合格基準
全問題の70%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

3.数学検定10級

数学検定10級

数学検定10級は小学校2年生程度を対象としています。

数学検定10級では、以下の能力が問われます。
・商品の代金・おつりの計算ができる
・同じ数のまとまりから、全体の数を計算できる
・リボンの長さ・コップに入る水の体積を単位を使って表すことができる
・身の回りにあるものを分類し、整理して簡単な表やグラフに表すことができる
・画用紙などを合わせた枚数や残りの枚数を計算して求めることができる
・鉛筆などの長さを、他の基準となるものを用いて比較できる
・缶やボールなど身の回りにあるものの形の特徴をとらえて、分けることができる

いかにも小学生で習いそうなラインナップですね。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
1500円(税込み)

試験時間
40分

出題数
20問

合格基準
全問題の70%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

4.数学検定9級

数学検定9級

数学検定9級は小学校3年生程度を対象としています。

数学検定9級では、以下の能力が問われます。
・色紙などを、計算して同じ数に分けることができる。
・調べたことを表や棒グラフにまとめることができる。
・体重を単位を使って比較できる。
・商品の代金・おつりの計算ができる。
・同じ数のまとまりから、全体の数を計算できる。
・リボンの長さ・コップに入る水の体積を単位を使って表すことができる。
・身の回りにあるものを分類し、整理して簡単な表やグラフに表すことができる。

9級の過去問をちょっと覗いてみましたが分数の簡単な足し算引き算が出題されていました。
想像ですが、ここら辺から数学の得意不得意が出てくるのかもしれません。
しっかり新しい単元にも対応していきたいですね。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
1500円(税込み)

試験時間
40分

出題数
20問

合格基準
全問題の70%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

5.数学検定8級

数学検定8級

数学検定8級は小学校4年生程度を対象としています。

数学検定8級では、以下の能力が問われます。
・都道府県人口の比較ができる。
・部屋、家の広さを算出することができる。
・単位あたりの料金から代金が計算できる。
・色紙などを、計算して同じ数に分けることができる。
・調べたことを表や棒グラフにまとめることができる。
・体重を単位を使って比較できる。

今までの級では最初に計算問題がありました。
過去問をのぞいてみましたが、8級からは計算問題が一段と難しくなっています。
おそらくここからはひっ算が必須ですね。
ひっ算を駆使し、ケアレスミスをせずに計算問題を解いていきたいところです。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
2000円(税込み)

試験時間
50分

出題数
30問

合格基準
全問題の70%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

6.数学検定7級

数学検定7級

数学検定7級は小学校5年生程度を対象としています。

数学検定7級では、以下の能力が問われます。
・コインの数や紙幣の枚数を数えることができ、金銭の計算や授受を確実に行うことができる。
・複数の物の数や量の比較を円グラフや帯グラフなどで表示することができる。
・消費税などを算出できる。
・都道府県人口の比較ができる。
・部屋、家の広さを算出することができる。
・単位あたりの料金から代金が計算できる。

数学検定の難易度が低い級では、最初に計算問題があります。
7級の過去問を覗いてみましたが、小数が出てきたり分数の計算で通分しなければならなかったりと、さらにまた一段難しくなっているようです。
しっかり計算練習を重ねてひねった計算問題にも対応していきたいですね。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
2000円(税込み)

試験時間
50分

出題数
30問

合格基準
全問題の70%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

7.数学検定6級

数学検定6級

数学検定6級は小学校6年生程度を対象としています。

数学検定6級では、以下の能力が問われます。
・容器に入っている液体などの計量ができる。
・地図上で実際の大きさや広さを算出することができる。
・2つのものの関係を比やグラフで表示することができる。
・簡単な資料の整理をしたり表にまとめることができる。
・コインの数や紙幣の枚数を数えることができ、金銭の計算や授受を確実に行うことができる。
・複数の物の数や量の比較を円グラフや帯グラフなどで表示することができる。
・消費税などを算出できる。

数学検定6級では帯分数も出るそうですね。懐かしいです。
他にも若干難しめの小数や分数の計算が出題されてます。
この辺の単元になると数学が得意な人と苦手な人にはっきり分かれてくると思います。
きっちり授業についていきたいところです。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
2000円(税込み)

試験時間
50分

出題数
30問

合格基準
全問題の70%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

8.数学検定5級

数学検定5級

数学検定5級は中学校1年生程度を対象としています。

数学検定5級では、以下の能力が問われます。
・負の数がわかり、社会現象の実質的正負の変化をグラフに表すことができる。
・基本的図形を正確に描くことができる。
・2つのものの関係変化を直線で表示することができる。
・容器に入っている液体などの計量ができる。
・地図上で実際の大きさや広さを算出することができる。
・2つのものの関係を比やグラフで表示することができる。
・簡単な資料の整理をしたり表にまとめることができる。
・コインの数や紙幣の枚数を数えることができ、金銭の計算や授受を確実に行うことができる。
・複数の物の数や量の比較を円グラフや帯グラフなどで表示することができる。
・消費税などを算出できる。

一気に試される能力が増えていますね。
そういえば中学生から負の数が出てきましたね。懐かしいです。

5級の一次試験は純粋な計算力を問われます。
ケアレスミスをしないように落ち着いて計算をこなしていきましょう。

二次試験では文章題を中心に出題されます。
文章題は苦手意識を持っている人が多いですよね。
時間をかけてでもいいから問題文をよく読んで正解を導き出したいところです。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
2500円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:60分

出題数
一次:30問
二次:20問

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

9.数学検定4級

数学検定4級

数学検定4級は中学校2年生程度を対象としています。

数学検定4級では、以下の能力が問われます。
・2つのものの関係を文字式で合理的に表示することができる。
・写真・地図・印刷物の拡大縮小時の材料計算ができる。
・簡単な情報をヒストグラムなどで表示することができる。
・負の数がわかり、社会現象の実質的正負の変化をグラフに表すことができる。
・基本的図形を正確に描くことができる。
・2つのものの関係変化を直線で表示することができる。
・容器に入っている液体などの計量ができる。
・地図上で実際の大きさや広さを算出することができる。
・2つのものの関係を比やグラフで表示することができる。
・簡単な資料の整理をしたり表にまとめることができる。

今までの級と比べると、応用問題が多くなってることに気づくと思います。
また、過去問をみたところ高校受験に出てきそうな問題も多数見受けられますね。
高校受験の予行練習に使えるかもしれません。

4級の一次試験は計算力を問われる問題が多数出題されますが、その計算も結構ひねった問題が多いです。
計算練習を重ね、いろいろなタイプの計算問題を解ける力を付けていきたいところです。

二次試験では文章題を中心に出題されます。
前述した通り、高校受験に出てきそうな問題が出てきます。
文章題は苦手意識を持っている人が多いので、その苦手意識を解消させていくためにも、しっかり勉強を重ねて合格できる力を養っておきましょう。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
2500円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:60分

出題数
一次:30問
二次:20問

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

10.数学検定3級

数学検定3級

数学検定3級は中学校3年生程度を対象としています。

数学検定3級では、以下の能力が問われます。
・簡単な構造物の設計や計算ができる。
・斜めの長さを計算することができ、材料の無駄を出すことなく切断したり行動することができる。
・製品や社会現象を簡単な統計図で表示することができる。
・2つのものの関係を文字式で合理的に表示することができる。
・写真・地図・印刷物の拡大縮小時の材料計算ができる。
・簡単な情報をヒストグラムなどで表示することができる。
・負の数がわかり、社会現象の実質的正負の変化をグラフに表すことができる。
・基本的図形を正確に描くことができる。
・2つのものの関係変化を直線で表示することができる。

4級もそうでしたが、3級も高校受験に出てきそうな問題が多いです。
高校受験の予行練習として良いかもしれませんね。

いろいろな意見はあれど、受験は人生において重要なイベントです。
きちんと対策して後悔のないよう力を出し尽くしたいですよね。

3級の一次試験は計算問題が多く出題されますが、中学三年生向けの数学だけあって応用問題が多いです。
計算練習を重ね、いろいろなタイプの計算問題を解ける力を付けておきましょう。

二次試験では文章題を中心に出題されます。
前述した通り、3級と同様高校受験に出てきそうな問題が出てきます。
文章題に苦手意識を持っている人は問題を数多くこなして文章問題が出てきても冷静に解ける自信をつけていきましょう。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
3000円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:60分

出題数
一次:30問
二次:20問

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

11.数学検定準2級

数学検定準2級

数学検定準2級は高校1年生程度(数学Ⅰ・数学A程度)を対象としています。

数学検定準2級では、以下の能力が問われます。
・グラフや図形の表現ができる。
・情報の選別や整理ができる。
・身の回りの事象を数学的に説明できる。
・簡単な構造物の設計や計算ができる。
・斜めの長さを計算することができ、材料の無駄を出すことなく切断したり行動することができる。
・製品や社会現象を簡単な統計図で表示することができる。

さすがに高校レベルとなると難しい問題が多数出題されますね。
出題範囲が広い他にひねった問題も多数出題されます。
出題数は少ないですがその分一つ一つの問題が重いです。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
3500円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:90分

出題数
一次:15問
二次:10問

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

12.数学検定2級

数学検定2級

数学検定2級は高校2年生程度(数学Ⅱ・数学B程度)を対象としています。

数学検定2級では、以下の能力が問われます。
・複雑なグラフの表現ができる。
・情報の特徴を掴みグループ分けや基準を作ることができる。
・身の回りの事象を数学的に発見できる。
・グラフや図形の表現ができる。
・情報の選別や整理ができる。
・身の回りの事象を数学的に説明できる。

軽く過去問を見てみましたがセンター試験を彷彿とさせられました。
センター試験の勉強にも使えそうですね。(そんな余裕ないかもしれませんが)
数学検定2級では、微分積分や数列の範囲もカバーしています。
微積や数列に関しては苦手意識を持っている方が多いのではないでしょうか。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
4000円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:90分

出題数
一次:15問
二次:2題必須、5題から3題選択

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

13.数学検定準1級

数学検定準1級

数学検定準1級は高校3年程度(数学Ⅲ程度)を対象としています。

数学検定準1級では、以下の能力が問われます。
・自然現象や社会現象の変化の特徴を掴み、表現することができる。
・身の回りの事象を数学を用いて表現できる。
・複雑なグラフの表現ができる。
・情報の特徴を掴みグループ分けや基準を作ることができる。
・身の回りの事象を数学的に発見できる。

出題内容を見ると他の級に比べて一見範囲が狭く感じるかもしれませんが、よく読むとかなり応用的な問題が出題されることが分かります。
数学的な広い範囲の基礎的な知識や技術を身につけ、応用問題に太刀打ちできるような武器を身に着けておきたいところです。

数学検定準一級では、数学Ⅲの問題、みんな大好き微分積分が出題されます。
しっかりと復習を重ねて微積のひねった問題に対応できる力が必要です。

なお、微分積分をマスターするためには今まで学んだ数学的な知識が必要不可欠です。
もし今までの級で出題された範囲で理解できない部分があるのであれば、その理解できない部分が出題される比較的難易度が低い級から受験を始めましょう。
改めて基礎的な知識から学びなおすのは一見遠回りに感じるかもしれませんが、蓋を開けてみると実は近道だったりします。
知識が伴わないまま応用問題に手を出して何時間も考えるより、自分の身の丈に合った基礎的な問題をポンポン解いていった方が勉強のモチベーションも保てるので、精神衛生上においてもおすすめです。

過去問を見てみると大学受験の2次試験と似たような問題が多数出題されています。
大学受験の二次対策にも数学検定準一級は良いのかもしれませんね。そんな余裕ないかと思いますが。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
4500円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:120分

出題数
一次:7問
二次:2題必須、5題から2題選択

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

14.数学検定1級

数学検定1級

数学検定1級は大学程度・一般を対象としています。

数学検定1級では、以下の能力が問われます。
・自然科学に密着した数学上の諸技法を駆使し、諸法則を活用することができる。
・抽象的な思考ができる。
・身の回りの事象について、数学的に推論ができる。

一見出題範囲が狭く見えるかもしれませんが、そこはさすが数学検定最高難易度の1級です。
今までの級で出題されていた問題がまんべんなく出題されます。
微分と確率を組み合わせた問題など、他の単元と組み合わせた複合問題も出題されるため、両方の単元の知識がないと解けない問題も出題されます。

もし今までの級で出題された範囲で理解できない部分があるのであれば、その理解できない部分が出題される比較的難易度が低い級から受験を始めましょう。
改めて基礎的な知識から学びなおすのは一見遠回りに感じるかもしれませんが、蓋を開けてみると実は近道だったりします。
知識が伴わないまま応用問題に手を出して何時間も考えるより、自分の身の丈に合った基礎的な問題をポンポン解いていった方が勉強のモチベーションも保てるので、精神衛生上においてもおすすめできます。

試験日
4月、7月、10月

出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前

受験料
5000円(税込み)

試験時間
一次:60分
二次:120分

出題数
一次:7問
二次:2題必須、5題から2題選択

合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度

合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能

15.終わりに

今回は数学検定の種類についてご紹介いたしました。

数学が直接的に人生で役に立つことは少ないかもしれませんが、数学の勉強で身に着けた精神力、論理力は間違いなく血となり肉となるはずです。

論理的な思考能力が身に着けることができれば騙されることも少なくなり、精神的にも安定するようになるのではないでしょうか。

ぜひ数学検定を通して今後の人生を快いものにしてみてください。

※ご紹介している参考書、問題集のバージョンは執筆当時のものです。
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おすすめ勉強法ベスト3

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