最上位のセキュリティ資格である情報処理安全確保支援士試験の概要とは?
情報処理安全確保支援士とは、IPAの提供する資格の中でセキュリティに特化した上位資格です。
近年はサイバー攻撃も発達してきているため、セキュリティ分野の需要がどんどん高まっています。
今回はこの情報処理安全確保支援士試験の概要についてご説明したいと思います
1.情報処理安全確保支援士試験とは?
情報処理安全確保支援士試験に合格することで、サイバーセキュリティに関する実践的な知識や技能を有することが証明できます。
2017年の4月から情報セキュリティスペシャリスト試験から情報処理安全確保支援士試験に名前が変わったそうです。
情報処理安全確保支援士試験の出題内容・範囲は、これまでの情報セキュリティスペシャリスト試験(SC)と変わりません。
余談ですが、情報系の資格はTOEICなどの試験と違い、繰り返し同じ試験を受験する人が少ないため、ある年度を境にして資格を取得する人が増えるにつれて年々受験者数が減ることになります。
受験者数が減少するのを防ぐために定期的に名前を変えて別の試験として区別することで、一度前の試験を合格した人にもまた同じ内容で受験させようとしているそうです。
資格もビジネスなのでこういった陰謀が絡むのですね。
情報処理安全確保支援士試験における対象者は以下の通りです。
サイバーセキュリティに関する専門的な知識・技能を活用して企業や組織における安全な情報システムの企画・設計・開発・運用を支援し,また,サイバーセキュリティ対策の調査・分析・評価を行い,その結果に基づき必要な指導・助言を行う者
出典:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sg.html
また、役割と業務につきましては次のようになっています。
セキュリティ機能の企画・要件定義・開発・運用・保守を推進又は支援する業務、若しくはセキュアな情報システム基盤を整備する業務に従事し、次の役割を主導的に果たすとともに、下位者を指導する。
出典:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_11seido/sg.html
応用情報技術者を取得してから合格した年度を含む2年以内であれば、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰを免除することができます。
他にも、高度情報技術者試験において実施される午前Iに基準点以上とってから2年以内であれば、情報処理安全確保支援士試験の午前Ⅰを免除することができます。
詳しくは下記を参考にしてください。
試験時期
4月第3日曜日
10月第3日曜日
受験料
5,700円(税込み)
試験時間
午前Ⅰ:9:30~10:20 (50分間)
午前Ⅱ:10:50~11:30 (40分間)
午後Ⅰ:12:30~14:00 (90分間)
午後Ⅱ:14:30~16:30 (120分間)
問題形式
午前I
四肢択一式(マークシート使用)で30問出題され全問解答。
満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前I試験通過となる。
基準点に達しなかった場合は不合格で、午前II・午後I・午後IIは採点されない。
午前II
四肢択一式(マークシート使用)で25問出題され全問解答。
満点の60%を基準点とし、基準点以上で午前II試験通過となる。
基準点に達しなかった場合は不合格で、午後I・午後IIは採点されない。
午後I
中規模の問題が3問出題され、2問を選択して解答する。
満点の60%を基準点とし、基準点以上で午後I試験通過となる。
基準点に達しなかった場合は不合格で、午後IIは採点されない。
午後II
事例解析問題が2問出題され、1問を選択して解答する。
満点の60%を基準点とし、基準点以上で最終的に合格。
科目免除
下記の条件を満たせば2年間、午前Iの科目免除が受けられる。
応用情報技術者試験に合格すること。
いずれかの高度情報処理技術者試験に合格すること。
いずれかの高度情報処理技術者試験の午前Iに基準点以上を得ること。
出願時期
[4月第3日曜日]
願書受付開始:1月上旬(試験の3カ月前から)
願書受付終了:2月中旬(試験の2カ月前まで)
[10月第3日曜日]
願書受付開始:7月上旬(試験の3カ月前から)
願書受付終了:8月中旬(試験の2カ月前まで)
2.情報処理安全確保支援士試験の難易度は?
2017年にできた試験なので情報が少なすぎることもあり、情報セキュリティスペシャリストの情報を参考に難易度について書きたいと思います。
情報処理安全確保支援士試験の合格率は14.9%と低い数値です。
勉強時間としては、実務経験がある方で50時間から100時間を超える程度かかるようです。
IPAの資格についての記事を既にたくさん書いていて気づいたのですが、IPAの上位資格になると年齢も実務経験もバラバラの方々が受けているので勉強時間は定量的に計りづらいです。
この記事を書いているくせに元も子もないことを言いますが、実際に過去問をみるなりして自分で難易度を確認すると良いでしょう。
それによって勉強のイメージがつき、必要な勉強時間もなんとなく見えてきます。
しかし実務経験がまったくない方や実務経験が浅い方にとっては簡単に受かる資格ではないので、数ヶ月じっくり時間をかけて勉強していきましょう。
3.情報処理安全確保支援士試験の勉強方法は?
合格者はこれらの本で勉強していたようです。
2016 情報セキュリティスペシャリスト 「専門知識+午後問題」の重点対策 (午後対策シリーズ)
2017 情報処理安全確保支援士「専門知識+午後問題」の重点対策 (午後対策シリーズ)
いろいろ調べてみましたが、最近できた資格ということもありあまりにも情報が少なすぎておすすめの参考書や問題集がまとめきれませんでした。
よって、独断と偏見でAmazonからまとめたおすすめの参考書や問題集をご紹介いたします。
レビューを見たり書店で確認したりして自分に合いそうなものをお選びください。
平成29年度【春期】【秋期】情報処理安全確保支援士 合格教本 (情報処理技術者試験)
ポケットスタディ 情報処理安全確保支援士 (情報処理技術者試験)
情報処理安全確保支援士 2017年版: 新国家資格
また、こちらで情報処理安全確保支援士試験の過去問を勉強することができます。
情報処理安全確保支援士過去問道場
高度情報技術者試験の午前試験の対策としては、共通してこちら本が良いとされています。
ポケットスタディ 高度試験共通 午前1・2対応[第2版] (情報処理技術者試験)
小さいので気軽に持ち歩ける上にamazonでの評価も高く、午前試験対策の本としておすすめです。
4.終わりに
今回は情報処理安全確保支援士試験の概要についてご説明いたしました。
情報セキュリティというのはそれ自体が利益を生み出す分野と思われがちですが、情報漏えいの対策としても必要な分野です。
景気の変動に関係なく情報セキュリティは常に需要はあるため、この情報処理安全確保支援士試験を受験することでなかなか廃れづらい知識が身につきます。
みなさんも情報処理安全確保支援士試験に挑戦して安定的な知識を身につけましょう。
IPAが提供する情報系の資格はこちらの記事にまとめております。
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