数学検定1級とは?大学の数学も出題範囲に含まれる!数学の神髄に触れよう!
数学検定という資格があるのをご存知でしょうか?
数学検定は正式名称を「実用数学技能検定」と言いますが、実用数学技能検定には、1級から11級と準1級、準2級、かず・かたち検定のゴールドスター、シルバースターを合わせて全部で15の階級が存在します。
数学検定に合格することで、一部の学校で入試優遇や単位認定を受けることができる他、高等学校卒業程度認定試験の「数学」科目を免除することもできます。
今回は数学検定1級の概要についてご説明いたします。
1.数学検定1級とは?
数学検定1級は大学程度・一般を対象としています。
数学検定1級では、以下の能力が問われます。
・自然科学に密着した数学上の諸技法を駆使し、諸法則を活用することができる。
・抽象的な思考ができる。
・身の回りの事象について、数学的に推論ができる。
一見出題範囲が狭く見えるかもしれませんが、そこはさすが数学検定最高難易度の1級です。
今までの級で出題されていた問題がまんべんなく出題されます。
微分と確率を組み合わせた問題など、他の単元と組み合わせた複合問題も出題されるため、両方の単元の知識がないと解けない問題も出題されます。
もし今までの級で出題された範囲で理解できない部分があるのであれば、その理解できない部分が出題される比較的難易度が低い級から受験を始めましょう。
改めて基礎的な知識から学びなおすのは一見遠回りに感じるかもしれませんが、蓋を開けてみると実は近道だったりします。
知識が伴わないまま応用問題に手を出して何時間も考えるより、自分の身の丈に合った基礎的な問題をポンポン解いていった方が勉強のモチベーションも保てるので、精神衛生上においてもおすすめできます。
数学検定は1~5級は一次試験の他に二次試験がありますが、他の級では二次試験がありません。
原則として受験資格はなく、どの級からでも受験することができます。
試験日
4月、7月、10月
出願時期
受験の約3か月前~受験の約1か月前
受験料
5000円(税込み)
試験時間
一次:60分
二次:120分
出題数
一次:7問
二次:2題必須、5題から2題選択
合格基準
一次:全問題の70%程度
二次:全問題の60%程度
合格発表日
各検定日の約3週間後にインターネットで可能
2.数学検定1級の難易度は?
数学検定1級の合格率は約10%未満です。
10人受けて9人も落ちてしまいます。
まさに数学において最上級の難易度なだけありますね。
数学検定1級を受験する人はみんな数学のエキスパートです。
その数学のエキスパートの10人に1人の選ばれた人しか合格することができません。
相当の勉強量を覚悟しなければないでしょう。
ここまでくると1回で合格することを求めず、受かるまで何回も受験する覚悟も必要かもしれません。
自分の得意な単元が出てきたら一発合格できるかもしれませんが、自分の不得意な単元が出てきたらなかなか合格は厳しいでしょう。
大学で理系だった人なら多少有利に働くかもしれませんが、おそらく理系の人で勉強を重ねたとしても受かる確率は低いです。
そのくらいの難易度です。
特に文系の人なら大変ですね。
英語が苦手な人が英検1級を目指すようなものです。
数学検定準1級に既に合格した人でも、そこからかなりの勉強時間を積み上げる必要があります。
もしかしたら年単位の勉強が必要になるかもしれません。
大人になると忙しくて時間がうまく作れないかもしれませんが、毎日大問1問ずつでもいいので、少しずつ数学に取り組む時間を作っていきましょう。
3.数学検定1級の勉強方法は?
数学検定1級の参考書と問題集のラインナップは今までの級と一風変わっております。
有名なのはこの2冊です。
一つ一つの問題が重く、解答するのにも理解するのにも相当時間がかかる恐れがあります。
1日1問でもいいからコツコツ取り組んでいきたいですね。
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ただし、この2つだけの問題集で試験本番に臨むと、合格できるのは運次第です。
より確実に合格するためなら専門の数学書で知識を補強する必要があります。
大学の数学の勉強と言えばマセマシリーズです。
私も大学時代にはお世話になりました。
一つ一つの値段が高く、全種類そろえると費用がかさむかもしれませんが、どの参考書と比べても非常に丁寧で詳しい説明が書かれているため、購入する価値は十分あると思います。
苦手な単元を狙って購入するのも良いですね。
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なお、数学検定で過去に出題された問題はこちらで確認することができます。
数学検定過去問題
4.終わりに
今回は数学検定1級の概要についてご紹介いたしました。
数学検定1級は大学で学ぶ数学をカバーしていますが、大学の数学は学ぶのが大変です。
まず参考書や問題集があまり充実していません。
教材として売れるのは受験で学ぶ数学です。
大学の数学はニーズが少ないため、出版社も力を入れて大学数学の教材を販売してくれません。
力を入れて販売してくれない分、誤植も多いです。
次に大変なのが内容が専門的すぎることです。
微積を一つとっても微積を使う知識において常微分方程式や偏微分方程式があるため、片っ端から覚えなければなりません。
一つ一つの単元の深い内容まで覚えることが求められます。
そのため、この単元は勉強したから得意だけどこの単元はあまり深く勉強してないから不得意だという状況が生まれやすいです。
数学検定1級は合格するために運が大きく絡んでくるのはこのためです。
数学検定1級専用の勉強として「ためせ実力!めざせ1級! 数学検定1級実践演習」、「実用数学技能検定1級「完全解説問題集」発見―数学検定」に取り組むのはもちろんですが、知識を底上げするためにも他の数学に関するいろいろな本を読んでおく必要があります。
特にマセマシリーズはおすすめです。
私を含め大学の友達はこのマセマシリーズで数学を勉強した者が多く、大学院試験でも重宝しています。
マセマシリーズに限らず、いろいろな専門書に手を出してみるのも良いですね。
深い内容に手を出してこそ、数学の面白さを味わえます。
数学検定1級は数学の資格の中で一番難しいかと思いますが、数学検定1級に合格したからといって数学をマスターしたことにはなりません。
あくまで数学に関するあらかたの基礎的な知識が身についたことを証明できるだけです。
数学の教授を目指すなど数学=人生と自信をもって言える人を目指す人はともかく、一般の人にとっては難しいかもしれませんが、この先のより専門性の高い数学を極めてこそ数学をマスターしたと言っていいでしょう。
私の数学科の友達の教授がこんなことを言っていました。
「24時間数学について考え続けた者にしか数学の歴史に石を積み上げることができない」と。
幼いころから数学に常に触れてきたものでないと、新たな公式など証明することができないらしいです。
それくらいシビアな世界なんですね。
ただし、我々一般の人でも数学の楽しさの片鱗をあやかることができます。
数学検定1級に合格した者ならば、数学の問題を解いてるときに少なからず楽しさを味わったことがあるのではないでしょうか。
強い目標を持っていたり数学の楽しさを感じたりしていないと数学検定1級に合格できるほどの力は身につかないはずです。
みなさんも数学検定1級に合格して数学の神髄に触れていきましょう!
数学検定の他の級については、こちらの記事にまとめております。
数学検定の種類とは?
1級より下位の級である準1級について知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
数学検定準1級の概要とは?
※ご紹介している参考書、問題集のバージョンは執筆当時のものです。
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私が今までに取得した資格の一覧はこちらになります。
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