lprコマンドは何の略?由来と意味を解説
lprコマンドは何の略?由来と歴史、現在の役割を解説
lpr
コマンドは、LinuxやUnix系OSで印刷ジョブをプリンタに送信するためのコマンドです。その名称はLine Printer(ラインプリンタ)の略に由来しています。コンピュータ史の初期から存在する由緒あるコマンドであり、名前の背景を知ることで、当時の技術的制約や時代背景が見えてきます。
lprの由来:Line Printerとは何か
Line Printer(ラインプリンタ)は、1970年代から1980年代にかけてメインフレームやUNIXシステムで広く使用されていた大型の印刷装置です。名前の通り、文字を1行単位で高速に印刷することができ、1分間に数百行を処理する性能を持っていました。
当時はグラフィック印刷ではなく、帳票やログ、プログラムのソースコードなど、純粋なテキストを大量に印刷する用途が中心でした。lpr
コマンドは、このラインプリンタに印刷ジョブを送信する役割を担っていました。
lprコマンドの歴史的背景
UNIXの初期環境では、複数のユーザーが同じ計算機を共有して利用しており、印刷リクエストも同じキューに並びます。lpr
は、ユーザーが作成した印刷ジョブをこの共通キューに登録し、順番にプリンタで出力する仕組みを実現しました。lpr
と共に使われるlpq
(キューの表示)、lprm
(印刷ジョブの削除)といったコマンドも、この頃から存在しています。
現代におけるlprの役割
物理的なラインプリンタはほぼ姿を消しましたが、lpr
という名前は今も残っています。現在ではCUPS(Common UNIX Printing System)などの印刷システムを介して、レーザープリンタやインクジェットプリンタに印刷ジョブを送信するためのコマンドとして利用されます。
例えばサーバー環境やSSH接続先から印刷を行う場合、GUI操作ができなくてもlpr
を使えばスクリプトやコマンドラインから直接印刷できます。大量の帳票処理や自動化スクリプトでも活用されることがあります。
まとめ
lpr
はLine Printerの略- 1970〜80年代に普及した行単位の高速印刷機に由来
- UNIX黎明期から存在する歴史あるコマンド
- 現在はCUPS経由で現代的なプリンタへの印刷にも利用可能
コマンド名の由来を知ることで、単なる印刷コマンド以上に、コンピュータの歴史や当時の技術環境を垣間見ることができます。
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