マクシミン原理とミニマックス原理の違いとは?
今回はゲーム理論のマクシミン原理とミニマックス原理の違いについてご紹介いたします。
マクシミン原理とミニマックス原理の違いとは?
結論を端的に言うと、マクシミン原理とミニマックス原理はどちらも「最大の損失を最小にするような戦略」のことですが、マクシミン原理とミニマックス原理の違いは視点の違いとなります。
「マクシミン原理」は「選択されうる戦略のそれぞれの場合の最小利得の中で利得が最も大きくなる戦略」
「ミニマックス原理」は「選択されうる戦略のそれぞれの場合の最大利得の中で利得が最も小さくなる戦略」
のことを表しますが、視点をどちらに取るかという違いがマクシミン原理とミニマックス原理の違いです。
例として次の場合を考えてみます。
Bさん | ||||
---|---|---|---|---|
戦略B1 | 戦略B2 | 戦略B3 | ||
Aさん | 戦略A1 | -5 | 8 | -3 |
戦略A2 | 4 | 4 | 2 | |
戦略A3 | 7 | -6 | 3 |
上記の場合、Aさん視点では
戦略A1を取ったときの最小利得は「-5」(Bさんが戦略B1を取ったとき)
戦略A2を取ったときの最小利得は「2」(Bさんが戦略B3を取ったとき)
戦略A3を取ったときの最小利得は「-6」(Bさんが戦略B2を取ったとき)
となります。
ここで「選択されうる戦略のそれぞれの場合の最小利得の中で利得が最も大きくなる戦略」である「マクシミン原理」の観点からは、戦略A2を取ったときの最小利得の2がそれぞれの場合の最小利得の中で利得が最も大きくなる戦略なため、戦略A2が採用されるでしょう。
一方でBさん視点では、
戦略B1を取ったときの最悪のケース(Aさんにとっての最大利得)は「7」(Aさんが戦略A3を取ったとき)
戦略B2を取ったときの最悪のケース(Aさんにとっての最大利得)は「8」(Aさんが戦略A1を取ったとき)
戦略B3を取ったときの最悪のケース(Aさんにとっての最大利得)は「3」(Aさんが戦略A3を取ったとき)
となります。
つまりBさんにって最悪のケースを想定したとして傷が浅いのが戦略B3で、これが「ミニマックス原理」となります。
言い換えると、それぞれの場合の最大利得の中で利得が最も小さくなる戦略となるでしょう。
よって上記のような考え方をすれば、Aさん視点では「マクシミン原理」、Bさん視点では「ミニマックス原理」となります。
終わりに
今回はゲーム理論のマクシミン原理とミニマックス原理の違いについてご紹介いたしました。
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